債務整理とは、借金を減額または免除し、返済計画を見直すための法的な手続きです。

債務整理は、単に借金を減らすだけではありません。弁護士・司法書士に依頼することで、督促の停止、給料の差押えの回避、そして精神的な安心を得ることができます、債務整理の手続きをスムーズに進めるには、専門の法律事務所の弁護士や司法書士のサポートを受けることが必要不可欠です。　　　　　

債務整理の種類と特徴

• 任意整理
  • 債権者との交渉による利息カットや返済計画の見直し
  • 特定の債権者のみを整理も可能
  • 比較的手続きが簡便
• 個人再生
  • 裁判所の認可を得て借金を大幅に減額
  • 住宅ローン特則でマイホームを残せる場合が多い
  • 一定の収入が必要
• 自己破産
  • 裁判所の免責決定によりすべての借金返済義務を免除
  • 一定の財産は処分される
  • 免責不許可事由（借金をした原因により許可されない）に該当しないことが必要

債務整理のメリット・デメリット

• メリット
  • 返済額の減額
  • 将来利息のカット
  • 督促の停止（延滞中でも対応してくれる）
  • 債務整理は誰にも内緒でできる
  • 精神的負担の軽減
  • 取引によっては過払い金（払いすぎた利息）なども発生することがある
• デメリット
  • 信用情報への登録（債務整理、個人再生、自己破産、手続きにより登録情報が違う）
  • 財産の処分（自己破産のみ再生は処分しない）
  • 手続き費用がかかる

債務整理の対象となる借金

• クレジットカードの支払い
• 消費者金融からの借入
• 住宅ローン、自動車ローン
• 奨学金
• 後払いサービス
• その他、各種ローンや未払い金
• 個人的な借入でも、貸し借りした契約の証明があれば対応できる

債務整理の流れ

1. 相談: 弁護士や司法書士に相談し、借金の状況や収入などを伝えます。
2. 受任: 専門家が依頼を受け、債権者へ早急に通知を送り、取り立てを止めます。
3. 調査: 借金の額や内容を調査し、依頼者に最適な債務整理の方法を検討します。
4. 手続き: 任意整理、個人再生、自己破産など、選んだ方法で手続きを進めます。
5. 返済/免責: 計画に従って返済するか、裁判所の決定で借金が免除されます。

相談する際のポイント

• 借入先のリストアップ
  • クレジットカード会社、消費者金融、銀行など、すべての借入先をリストアップします。
• 借入額と借入日の確認
  • 各借入先からの借入額と借入日を確認し、記録しておきます。
• 毎月の返済額と返済日の確認
  • 毎月の返済額と返済日を把握しておきます。
• 収入と支出の把握
  • 毎月の収入と支出を把握し、家計の状況を把握しておきます。
• 相談したいことのリストアップ
  • 債務整理の種類、費用、手続きの流れなど、相談したいことをリストアップします。
• 不安なことや疑問点の整理
  • お金がない場合の対応、車や家の扱い、信用情報への影響など、不安なことや疑問点を整理しておきます。
  • 任意整理、個人再生、自己破産など、希望する解決方法があれば、検討しておきます。
• 身分証明書
  • 運転免許証、健康保険証など。
• 借入先の情報
  • クレジットカードの利用明細、借入先の契約書など。
• 収入を証明する書類
  • 給与明細、源泉徴収票など。
• 支出を証明する書類
  • 公共料金の領収書、家賃の契約書など。
• 預金通帳やキャッシュカード
  • 預金残高や取引履歴を確認できるもの。
• 不動産や自動車の権利証
  • 所有している不動産や自動車に関する書類。
• 弁護士と司法書士の違いを理解する
  • それぞれの専門家が得意とする分野や対応できる業務範囲を理解しておきます。
• 相談しやすい専門家を選ぶ
  • 相談料、事務所の場所、専門家の経歴などを確認し、相談しやすい専門家を選びます。
• 正直に話す
  • 債務状況や希望する解決方法について、正直に話すことが大切です。
• メモを取る
  • 相談内容やアドバイスをメモしておくと、後で振り返ることができます。

信用情報への影響

• 債務整理をすると、信用情報機関　(JICC　CIC　KSC)　に手続きをした内容のコード情報が登録されます。
• 　任意整理、個人再生、自己破産、これにより、基本的に一定期間（5～10年程度）、新たな借入やクレジットカードの利用が制限されます。
• 将来、住宅ローンや自動車ローンを組む際に影響が出る可能性があります。

財産の取り扱い

• 自己破産の場合、一定の財産は処分される可能性があります。
• 個人再生の場合でも、財産の状況によっては返済額に影響が出る場合があります。
• 事前に、どのような財産が対象となるのか確認しておきましょう。

保証人への影響

• 債務整理を行うと、保証人に返済義務が移る場合があります。
• 保証人がいる場合は、事前に相談し、理解を得ておくことが重要です。

弁護士や司法書士選び

• 債務整理は専門的な知識が必要な手続きです。
• 経験豊富な弁護士や司法書士に依頼することで、スムーズに手続きを進めることができます。
• 複数の専門家に相談し、信頼できる専門家を選びましょう。
• 弁護士と司法書士はどうやって選ぶ【簡単な８つの質問に答える】

債務整理の費用

1. 任意整理

• 弁護士・司法書士費用: 1社あたり3万円～10万円程度
  • 債権者数によって費用が変動します。
  • 減額報酬（減額できた金額の10%程度）が別途発生する場合もあります。
• その他: 数千円～1万円程度
  • 書類作成費用、通信費などが含まれます。
• 合計: 1社あたり4万円～11万円程度

2. 個人再生

• 弁護士・司法書士費用: 30万円～60万円程度
  • 住宅ローン特則を利用する場合や、個人の状況によって費用が変動します。
• 裁判所費用: 3万円～30万円程度
  • 予納金、印紙代、郵券代などが含まれます。
• 合計: 33万円～90万円程度

3. 自己破産

• 弁護士・司法書士費用: 30万円～50万円程度
  • 同時廃止事件か管財事件（財産の管理人）か付くかによって費用が変動します。
• 裁判所費用: 3万円～50万円程度
  • 予納金、印紙代、郵券代などが含まれます。
• 合計: 33万円～100万円程度

4. その他

• 相談料: 無料～1時間1万円程度
  • 多くの事務所では相談は無料です。
• 実費: 数千円～数万円
  • 書類の取り寄せ費用、交通費などが含まれます。

注意点

• 上記はあくまで平均的な費用であり、実際の費用は事務所や個人の状況によって異なります。
• 分割払いや法テラスの利用が可能な場合もありますので、専門家にご相談ください。
• 債務整理を専門としている弁護士、司法書士に相談する事で費用を抑えることが出来る可能性があります。

完済するまでの期間

任意整理

• 交渉期間: 3ヶ月～半年程度
• 返済期間: 3年～5年程度
• 合計: 3年3ヶ月～5年6ヶ月程度

任意整理は、債権者との交渉によって返済計画を立てる手続きです。交渉がまとまれば、比較的短期間で返済を開始できます。

個人再生

• 手続き期間: 半年～1年程度
• 返済期間: 3年～5年程度
• 合計: 3年6ヶ月～6年程度

個人再生は、裁判所の認可を得て返済計画を立てる手続きです。裁判所での手続きがあるため、任意整理よりも時間がかかります。

自己破産

• 手続き期間: 3ヶ月～1年程度
• 免責までの期間: 3ヶ月～1年程度
• 合計: 3ヶ月～1年程度

自己破産は、裁判所の免責許可によって借金返済義務が免除される手続きです。手続き期間は、同時廃止事件か管財事件かによって異なります。

注意点　上記はあくまで目安であり、個々の状況によって期間は変動します

債務整理をして良かったという声

事例	債務整理の種類	詳細
Aさんの場合	任意整理	クレジットカードのリボ払いは約300万円。毎月の返済額は10万円超。生活費を圧迫

• 弁護士に相談し、任意整理。
• 将来利息をカット、毎月の返済額を５万円に減額
• 「返済の目処が立ち、精神的な負担が大幅に減額された、」将来利息のカットで返済総額を減額

事例	債務整理の種類	詳細
Bさんの場合	個人再生	住宅ローンを含む約2000万円の借金。事業失敗で住宅ローン滞納、自宅を失う危機に直面する

• 弁護士に相談し、個人再生。
• 住宅ローン特則を利用し、住宅を手放さずに借金を大幅減額
• 「家族と共に住み慣れた家を守ることができ、本当に感謝、」住宅ローン特則で住宅を守りながら借金整理

事例	債務整理の種類	詳細
Cさんの場合	自己破産	生活費と遊行費で500万円の借金、返済のために借金を重ねる自転車操業

• 弁護士に相談し、自己破産
• すべての借金が手続きが終了後に免除となり、支払いなどの心配が全くなくなり、新たな生活が始められる。
• 「借金から解放され、精神的に楽になった。今後はもう二度と借金をしない、」借金がすべて免除される強力な手段。

手続き完了後の生活

• 債務整理後も、計画的な返済や生活設計が重要です。
• 収入と支出を見直し、無理のない返済計画を立てましょう。
• 再び借金に頼ることがないよう、注意が必要です。

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